世界史とカツラ。中世ではカツラに◯◯をふりかけていた。

カツラは昔の世界史でもちょいちょいでてくる重要なアイテムです。
公然としてカツラを被っていられるのは憧れです。
今でこそ、ネタとなってしまうカツラですが、昔はどのような位置付けか調べてみました。

カツラはファッションアイテム

古代エジプトでは、元々の髪型が天然パーマのように縮れているため直毛のカツラを着用していました。
また古代ローマでは、ゲルマン人の金髪のカツラが女性たちを魅了していたようです。

近代でも有名な話なのでご存知の方も多いと思いますが、イギリスとフランスでは法廷では裁判官や弁護士が白いカツラを着用しています。
近代でも一部の法廷では、カツラ着用が続けられています。

カツラの始まり

昔の西洋では、ノミやシラミが流行していたことから健康な頭皮の状態を保つべく地毛を短くして、おしゃれをカツラでということが一般的になっていったそうです。
この時代の絵画に描かれている作曲家や貴族や王族が同じような髪型をしているのは、カツラの影響があるんですね。

世界でのカツラのはじまり

イギリスで最初にカツラを導入したのは、エリザベス女王といわれており、香水や宝石と同じようにファッションアイテムとして80種類の色とりどりのカツラを使い分けていました。

フランスでは、最初にカツラをかぶったのは、若ハゲであったルイ13世と言われています。ルイ13世の息子である太陽王とも称されている息子ルイ14世もカツラでした。
ルイ14世は大病で髪の毛を失ったことで、身長が低めであったため背丈を水増する目的と、王としての威厳を演出する目的で肩まで垂れ下がったボリュームいっぱいのふさふさしたカツラをつけました。
カツラの着用は、当時フランスの貴族の王室で大流行したそうです。

おしゃれでのカツラは頭皮は犠牲に

次いでロココ文化の時代になると、カツラはマリー・アントワネットやデバリュー婦人など女性たちのファッションアイテムとしてさらに発展しました。
教科書でみかけたことはないでしょうか、バベルの塔といわんばかりに高く高く盛り上げられたカツラを…。
カツラには羽毛や花リボンなどは序の口、すごいものは軍艦などを乗せたものが登場しました。
高いものでは1.8メートルほどになったというカツラは、寝るときは補助が必要、馬車に乗る時には窓から頭をだす、肩こりの症状や様々な問題も引き起こしました。
あまりに高いものはシャンデリアの火が引火するなどのボヤ騒ぎもあったとか、おしゃれに命がけです。

おしゃれで頭皮は犠牲に

そして、当時のカツラでは白髪で作るのが好まれていたそうです。
白くすると顔の表情が柔らかくなるという意図だったようですが、白髪は確かに綺麗ですから納得です。

しかし、驚きが白いカツラの作り方です。カツラを白くするために髪の毛をグリースなどで固めてから、小麦粉をふりかけていたそうです。そう、小麦粉です。
小麦粉ってノミやシラミにとって栄養満点の温床になる要因です。
中世にノミやシラミが流行していたのは、確実にカツラも要因のひとつであったでしょう。

頭皮は育毛にとって大切

当時の頭皮にかゆみは相当あったと考えられます。
頭皮は育毛にとって大切にしなくてはいけない場所なのに、当時の人達はおしゃれのために快適な生活だけでなく、髪の毛を犠牲にしていたことは気付かなかったのでしょう。
もしタイムスリップでもしたものなら、それ間違ってますよ!とささやきたいものです。