キョンシーと辮髪について調べてみた
10月31日はハロウィン。
今年はキョンシーのコスプレをしようかな。
というわけで、キョンシーの服装について調べてみました。
キョンシーの服とヘアスタイル
キョンシーの服装は女真族(満州民族)の正装です。中国の清王朝を作ったのが女真族です。
中華帽は暖帽というのだそうです。服は補褂といいます。
暖帽は「暖」の文字が入っているとおり冬用の帽子です。
礼装である補褂を着たときに着用しますが、官位によっててっぺんの玉が違います。一番高位の人は紅珊瑚が飾られます。豪華ですね〜。
「補服」は上着です。これも文官か武官かと、官位によって胸元のデザインが違います。
文官であれば鳥で、一番偉い人は鶴のデザインです。
武官であれば獣で、一番偉い人は麒麟が刺繍されます。
帽子の下は辮髪(弁髪)です。
『キン肉マン』に出てくるラーメンマンでおなじみ、一部を残して髪を剃り上げ、残した髪は長い三つ編みにして垂らします。
剃り残す部分は時代や民族によって違ったようです。
満洲族の辮髪は頭頂部を、漢民族は後頭部を残して剃りあげたということです。
契丹族のように、耳の周辺の髪だけを残して他は剃るという変わった辮髪もあります。
辮髪の歴史
辮髪はもともとは女真族など遊牧民族の髪型です。
髪を剃り上げておけば蒸れることもないし、水が少なくても髪を洗うのが簡単というメリットがあったようです。
遊牧民族ではない漢民族にとっては、辮髪は外来の文化です。けれど、清の時代には漢民族にも辮髪は強制されました。辮髪にしなければ命も奪われかねないような厳しい処罰つきです。
髪か命かの二者択一です。
漢民族には、親からもらった身体を傷つけてはならないという考えがありました。髪も身体の一部です。
だから、漢民族にとってはとても辛い風習だったのです。
辮髪のメリット
体を動かすとき、辮髪が邪魔にならないかって気になりませんか?
なんと、長く編んだ髪の毛は衣服の襟首に巻き付けたり、頭に巻いたりしたそうです。
馬に乗る遊牧民族にとっては動きやすさが大事ですもんね。
日本の武士の月代と同じく、兜をかぶるときに蒸れにくいという利点もあります。
また、髪を剃ることで洗髪が容易になります。水が少ないところでは辮髪にはいろいろなメリットがあったのです。
時間をかけた髪は大切にしたい
キョンシーのコスプレをきちんとしようと思ったら髪も辮髪にするべきなのだろうか……。否、断じて否!
育毛にはかなりの期間がかかります。ゆっくりと時間をかけて育てた髪をたった1日の楽しみのためにふいにはできません。
中華帽はかぶっても、髪は大事にしたいものです。