オスマン帝国のフェズ

こんにちは!
世界の帽子シリーズとして、今回は、インドネシアの人が被っている帽子を、現在イクオスに夢中のパパハゲがご紹介してみたいと思います。

インドネシアの帽子

インドネシアの人がかぶる帽子を「フェズ」といいます。フェズはえんじ色、赤色の頭頂部から糸の束の房が垂れ下がった、つばがない円筒形の帽子のことをいいます。
誰しも一回は、世界の旅番組、歴史番組のテレビや資料などで目にしたことがあるかと思います。

フェズの由来

「フェズ」という名前は、モロッコの都市フェズから名付けられたもので、日本ではトルコ帽と呼ばれることが多く耳馴染みが有るかと思います。エジプトなどではタルブーシュとも呼ばれているそうです。
オスマン帝国と周辺の地域にて19世紀から20世紀初頭にかけて流行しました。

現在のモロッコでよく使われていた帽子ですが、オスマン帝国のマフムト2世が近代化改革をすすめる過程で、文官や武官ともども洋装をとりいれていこう、としたときに、それまでムスリムの人たちが頭に巻いていたターバンに変わるものとして、フェズが取り入れられました。

フェズは近代化の象徴であったか

近代化の象徴として親しまれるようになったフェズは、やがてムスリムだけでなくユダヤ教徒キリスト教徒の間でもフェズを着用されるようになっていきました。

しかし、トルコ革命によってオスマン帝国が倒れてしまい、近代化をすすめたトルコ共和国が成立すると、近代化のシンボルであったフェズですが、皮肉にも旧体制のシンボルのように見られるようになりました。

後々の1925年、大統領になったムスタファ・ケマル・パシャがフェズの禁止令をだし着用を禁じてしまいました。

現在のフェズは

フェズの禁止令は、逮捕までするという強制力のつよいものであったため、今のトルコではお土産物屋さん以外でフェズを見かけることはほぼなくなってしまいました。
トルコでフェズが禁止された後も、かつてオスマン帝国があったエジプトやボスニアなどの地域でフェズは着用されていましたが、時代とともに廃れてしまい現在では見ることがほぼなくなってしまいました。

フェズをかぶる人たち

現在でフェズをかぶる人たちは少数になってしまいました。今、フェズを被っている人は歴史や文化を重んじるおじさんたちが被っています。
宗教や歴史の中でこのように消えてしまった帽子、ファッションアイテムはたくさんあります。
できれば、伝統文化の一つとして伝え継いでいきたいところですね。