育毛剤、発毛剤、養毛剤、AGA治療薬、名前が違うだけで同じなの?

養毛剤vs育毛剤vs発毛剤

抜け毛や薄毛が気になり始めたときに良く使用されるのが、養毛剤や育毛剤や発毛剤です。名前の違いだけじゃなく、いろいろな違いがあるため選び方が重要です。

養毛剤は文字通り、髪の毛を養う目的で使用します。化粧品に分類されるものが多く、身体への効き目がおだやかと言う特徴があります。そのため薄毛の症状が進む前の初期症状に適しています。

育毛剤医薬部外品に分類されるものが多く、化粧品と医薬品の中間にあたる存在となっています。化粧品よりうたえる効果効能の制限が緩く、医薬品より厳しいと言う特徴があります。有効成分を多種類配合している育毛剤が多く、初期から中期の症状に適しています。

発毛剤は医薬品に分類されるものが一般的となっています。養毛剤や育毛剤よりも効き目が強いため、中期以降の症状にも適しています。ただし末期まで症状が進むと期待できなくなります。

AGA治療薬とは?

AGAは男性型脱毛症とも言い、思春期以降の男性に見られる脱毛症です。円形脱毛症と違い、少しずつ脱毛が進んでいきます。

このAGAに有効なのがフィナステリドやミノキシジルと言ったAGA治療薬です。フィナステリドは錠剤になっており口から服用して使用します。ミノキシジルにはリキッドタイプやゲルタイプがあり頭皮に塗って使用します。

リキッドタイプは液体状のため頭皮から流れ落ちてしまうことがありました。
流れ落ちてしまうと効き目が薄くなりますが、ゲルタイプはゲル状になっているため頭皮に長く留まります。長く留まることで効き目が出やすいと言うメリットがあります。ミノキシジル濃度を高めたほうが効き目が高くなるものの、固まり易くなり頭皮に浸透しにくくなります。

錠剤にしたミノキシジルタブレットなら口から服用するタイプのため頭皮の浸透性は関係ないです。その代わりに効き目が出やすい分だけ副作用も出やすいデメリットがあります。

フィナステリドとミノキシジルの効果

男性ホルモンのテストステロンが血液に乗って運ばれ、毛乳頭にある5α還元酵素と結合するとDHTと言う男性ホルモンの一種に変わります。

DHTには毛周期の成長期を短くする性質があります。5α還元酵素は額の生え際や頭頂部にある毛乳頭に見られるため、AGAの発症が始まるとこの部位から薄くなっていきます。

AGA治療薬のフィナステリドにはAGAの原因となっている5α還元酵素の働きを抑えて現状を維持する効果があります。フィナステリドとして1日1回1mgを上限に服用すると3か月から6か月ほどで効果が出てきます。

AGA治療薬のミノキシジルには頭皮の血流を改善し発毛を促す効果があります。さらに毛乳頭に働きかけ、アデノシンと物質の分泌を助ける作用もあります。アデノシンの分泌が増えると血管内皮増殖因子や角化細胞増殖因子と言う成長因子の分泌が増えて発毛が促されます。ミノキシジルとして1日朝晩2回使用するのが基本となっています。此方も3か月から6か月と効果が出るまで期間がかかります。

フィナステリドとミノキシジルの副作用

フィナステリドやミノキシジルは医薬品の成分であるため副作用が見られます。

フィナステリドには胃部不快感、性欲減退、勃起不全、射精障害、精液量減少、乳房肥大、発疹、蕁麻疹などの副作用があります。稀なケースながら肝機能障害と言った重大な副作用が出る恐れがあります。その他に重大な副作用の報告は見られないです。

ミノキシジルには頭皮のかゆみ、頭痛、手足のしびれやむくみ、不整脈、動悸、紅潮、性欲減退、ニキビ、多毛症などの副作用があります。このうち頭皮に塗るタイプのミノキシジルで起こりやすいのが頭皮のかゆみです。

口から服用するタイプのミノキシジルタブレットでは多毛症と言った副作用が起こりやすいです。多毛症では顔や手足など頭以外の体毛まで濃くなることがあります。手足なら衣服で隠せるものの、顔の場合は剃刀などで処理することが必要です。